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インタビュー・コラム

アンジュルム・川村文乃「魚をさばくと気持ちがスッキリします」味だけじゃない魚の魅力

アイドルで、なおかつ1級マグロ解体師。そんな異色の肩書きをもつ川村文乃さんが、「『さかなの日』応援隊」の隊長に就任!これを記念し、川村さんに“お魚愛”や隊長としての意気込みなどを語ってもらった。

魚市場の”おんちゃん”に
教わったことが糧に

漁業が盛んな高知県で生まれた川村さん。子供の頃は、地元の魚市場で開催されるイベントで、魚の魅力をPRする仕事をしていたそう。こう、当時を振り返る。「魚市場ではたくさんの“おんちゃん(※)”が働いていて、どなたもすごく優しかったのを覚えています。魚のことも、いろいろと教えてくれました」。魚市場の目玉は、マグロの解体ショー。さばいたばかりのマグロを口にする機会もあったそう。「その時に食べたマグロが、本当においしくて。それから、どんどん魚が好きになりました」。

魚のPRをするなかで、魚のさばき方も教わったという川村さん。小学校4年生の頃には、高知県の特産である清水サバや金目鯛をさばけるように。また、これを機に、魚をさばくことの面白さに目覚め、ネット上に公開されているハウツー動画を観ながら、そのほかの魚もさばくようになったそう。今では魚をさばく時間は、川村さんにとってリフレッシュできるひとときだ。「魚に包丁を入れていくと、皮や身がどんどんなくなって最後は骨だけが残るので、達成感がありますね。それに魚をさばいている間は、ほかのことは忘れてとことん集中できちゃう。魚をさばくと、なんだかスッキリします(笑)

※おじさんを意味する高知弁

まずは魚をじっくりと
観察してみるのがオススメ

川村さんの探究心は尽きることなく、2020年からは師匠のもとで、マグロの解体方法を学ぶように。そして2021年6月、めでたく1級マグロ解体師の資格を取得した。この大胆なチャレンジと成功を受けて、喜ぶファンがたくさんいたそう。「『マグロをさばいてる姿、見てみたい!』『さばける魚がカツオからマグロにグレードアップしたんだ。“出世”したね!』など、たくさんのコメントをSNS上でいただきました」。また、川村さんの魚にまつわる投稿は、さらに反響を呼ぶように。「さばいた魚や作った魚料理の写真をアップすると、『私も明日、スーパーで魚買って食べてみる!』『この間、同じ魚食べたよ』といったコメントが寄せられます。魚好きの輪が広がっている感じがして、すごく嬉しいです」。

2023年秋、水産庁より「『さかなの日』応援隊」に任命された川村さん。これからの抱負は?「資格取得を通して身につけた知識を活かしながら、さまざまなシーンで魚の魅力を伝えていきたいです。魚は部位ごとに味わいが異なり、それぞれとってもおいしいことなどを、もっと知ってもらいたいなと思います」。

国内では、長らく“魚ばなれ”が問題となっている。川村さんが考える改善策は、とてもユニークだ。「魚市場に行って、魚の顔をじっくりと観察してみてほしいです。同じ種類の魚でも、それぞれ顔が違っていて面白いですし、『可愛い!』って思うことも。魚に対して愛着が湧いて、家でもおいしく食べられると思います」。
 

――Q1、好きな魚は?
「マグロ」です。小学生の頃マグロの解体ショーを見て食べた捌きたてのマグロが凄く美味しく感じてそこからマグロが1番好きでした。自分で解体するようになってから頬肉やカマもよく食べるようになり旨味が濃くて美味しいです。

――Q2、得意な魚料理は?
魚1匹を丸ごと料理できます。身は刺身や煮付けにして、残ったアラは味噌汁に、骨はチップスにします。

――Q3、さかな関連でやってみたいことは?
100kg以上のマグロをさばいてみたいです!あと、うなぎを上手にさばけるようになりたいですね。目打ちで固定したうなぎをプロっぽく、シャーっとさばいてみたい!(笑)

――読者に一言お願いします!
日々、おいしい魚を獲ってきてくれる漁師さん達に、感謝しています。漁師さん達は、かっこいい“海の男”。誇りと情熱をもって、これからも頑張ってください!

PROFILE

川村文乃

1999年生まれ、高知県出身。2017年より、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「アンジュルム」のメンバーとして活動中。高知県観光特使・高知市PR大使。2021年6月に国内では女性初となる、1級マグロ解体師の資格を取得。2023年秋、水産庁より「『さかなの日』応援隊」隊長に任命され、魚文化の発展に貢献するキーパーソンとして今後の活躍に期待が集まっている。


文/緒方 佳子 写真/金子 怜史

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