【次世代漁業最新トピックス】サステナブルな漁業・サケワクチン
2024/03/02
次世代漁業にまつわる最新トピックを世界からお届けする「WORLD FISH NEWS」。サステナブルな漁業・水産業のヒントが見つかるかも?
海洋副産物から生み出される
サステナブルなパッケージ
From SPAIN
プラスチック技術を研究する「AIMPLAS」は、漁業のアップサイクルを通して海洋保全に取り組む「EcoeFISHent」プロジェクトにおいて、魚の加工時に抽出されたゼラチンや壊れた漁網などの海洋副産物を材料に、食品、化粧品のパッケージ製品を開発している。製品はこれまで使用されていた化石バリアポリマーの代替となる機能性と有用性を維持し、水産業の循環経済を成長させる一因となっている。今後は魚の餌となるパッケージ開発を目指し、試験を進めていく予定だ。
HP:AIMPLAS
世界中の養殖サケを救う
対寄生虫経口ワクチン
From UK
世界的にサケ需要が増加している中、養殖タイセイヨウサケに寄生するサケシラミの蔓延と感染症が大きな経済打撃となっている。この問題を受け始まったワクチン開発プロジェクトが治験段階となり、スターリング大学海洋環境研究所(MERL)で実施される。サケの皮膚内で全身免疫反応と粘膜免疫反応を引き起こすことでサケシラミを防除でき、サケの健康に配慮されているのが特徴。ワクチン開発の成功は、さまざまなサケ問題を解決するうえで大きな進歩になると期待が集まる。
海を守り、育む消費を身近に
漁師を応援できるECがオープン
From JAPAN
「ウミとヒトのポジティブな関係をつくる」をパーパスにコンサルティング事業等を行う株式会社UMITO Partnersが、エシカルな水産物を購入できるECサイトをオープンした。サステナブルな漁業を行う、またはサステナブルな漁業を目指す漁師の水産物を使用した商品を展開していく予定。サステナブルな漁業を行う漁師の水産物を食べて応援することで同じ志の漁業者を創出し、海へポジティブな影響を与えることを目指している。
FISHERY JOURNAL vol.1(2024年冬号)より転載