特徴や手数料の違い、どう選ぶ? 収入アップに繋がる鮮魚直販アプリ&ECサイト5選
2025/03/03

生産者が直接、店舗や個人宅に向けて販売できる産地直送ECサイトが活況を呈している。ここでは、鮮魚を取り扱う生産者や市場関係者が注目するアプリやECサイトをピックアップ。これらを活用して、販路拡大や収入アップにつなげていきたい。
1.違いはないようで、確実にある。サービスの特徴をつかむのが成功の鍵
2.まるで「魚屋」のように売買! スマホだけで出品・受注が完結も
ー「サカマウルアプリ」
ー「食べチョク」
ー「ポケットマルシェ」
ー「産直アウル」
ー「漁師さん直送市場 家庭用」
3.直販は収入アップの大いなる手段! まずは第一歩を踏み出そう
違いはないようで、確実にある。
サービスの特徴をつかむのが成功の鍵
鮮魚を扱うECサイトやアプリは、特定の魚種を指定日に届ける受注、その日獲れた魚を数種まとめてキログラム単位で配送する鮮魚のセット、干物などの加工品まで、多種多様な魚介類を扱っている。いずれもスムーズに受注・出荷ができるようにシステムが整備され、少ない手間で業務が行える。とはいえ、サイト・アプリの設計やユーザー層の傾向、手数料はサービスによって異なっている。
ぜひ下記を比較して、自身の働き方に合わせたサービスを選んでほしい。
まるで「魚屋」のように売買!
スマホだけで出品・受注が完結も
サカマウルアプリ
全国の漁師や仲卸がスマホひとつで鮮魚の出品から受発注業務までを簡単に遂行できるアプリ。
受注してから最短24時間後に届けることができるスピードが自慢だ。初期費用、月額費用はともにゼロ。出品時に自動で手数料を上乗せした金額が実際の販売価格となるので、手数料の負担がないのもうれしい。鮮魚の購入は「サカマアプリ」で行う。
利用料金/初期登録費用・月額費用:無料
販売手数料:価格の20%を上乗せして販売
【こんな人におすすめ】
1、スマホでスムーズに販売を完結させたい
2、新鮮な魚をスピーディーに届けたい
3、手数料が直販のネックになっている
お問い合わせ
SAKAMA
>アプリ/iOSアプリ
>Androidアプリ
食べチョク
サイトユーザーは100万人以上、登録生産者数10,000軒を超える日本最大級の産直通販サイト。美味しさや生産方法にこだわりを持った農産物・畜産・花き・漁業の生産者が多く登録し、都市部に住む消費者を中心に支持を得ている。最短24時間以内で商品を消費者の手元に届けられるのも産直ならでは。
利用料金/初期登録費用・月額費用:無料
手数料:顧客支払額の 8〜18%
【こんな人におすすめ!】
1、こだわりの鮮魚を求めてくれる人に届けたい
2、全国のたくさんの人に知ってもらいたい
3、自分たちのこだわりを消費者の方に伝えたい
お問い合わせ
ポケットマルシェ
マルシェに出店するかのように消費者に直接商品をアピール・販売できる「ポケットマルシェ」(通称ポケマル)。アプリを入れておけばスマホひとつで出品から販売まで遂行できる。鮮魚は1000円台の少量から大ボリュームまで多彩に出品。注文が入ると運送業者が伝票を持ってきてくれるので、商品を準備するだけでOKだ。
利用料金/基本使用料:無料
販売手数料:売上げ額の23%
【こんな人におすすめ!】
1、手間なく商品を販売したい
2、商品の良さを直接アピールしたい
3、食べてくれる人とつながりたい
お問い合わせ
ポケットマルシェ
>アプリ/iOSアプリ
>Androidアプリ
産直アウル
産直通販サイト「産直アウル」は旬の生産物の特集などサイト上での記事が充実。魚の数量やサイズなど直接質問できるトーク機能を備え、消費者とコミュニケーションをしながら販売できたり、フィードバックをもらったりできるのも特徴だ。アプリは生産者専用で、出品、出荷、売上確認まで管理できる。運輸会社と連携した配送システム(送り状作成等が自動印字され、手配不要)が利用可能。
利用料金/初期費用・出品料月額費用:無料
販売手数料:売上金の19.5%
【こんな人におすすめ!】
1、気軽にネット販売を始めたい
2、通販はしたいが送料が気になっている
3、大口取引やリピーターのお客さまがほしい
お問い合わせ
漁師さん直送市場 家庭用
運営者が厳選した日本全国津々浦々の漁師が登録するECサイト。漁師の出荷予定日カレンダーや、「日付指定OK」「水揚次第出荷」「おまかせ定期便」などタブごとに商品が検索できるなど、鮮魚直送専門のECとしてユーザビリティが高い。販売手数料は他社よりも低めの設定。鮮魚店や飲食店向けの「漁師さん直送市場 業務用」も展開する。
利用料金/初期費用・出品料・月額費用:無料
販売手数料:売上金の8%
【こんな人におすすめ!】
1、熱意をもって直販に取り組みたい
2、市場価格が安い魚でもしっかりと稼ぎたい
3、手数料をできるだけ低く抑えたい
お問い合わせ
漁師さん直送市場
直販は収入アップの大いなる手段!
まずは第一歩を踏み出そう
漁師が自らの手で鮮魚を店舗や個人に販売するーー。ひと昔前なら考えられないことが、今まさにトレンドになりつつある。背景にあるのは、魚の市場価格が相場に大きく左右され、漁師のがんばりが報われにくいことや、長時間かつ重労働の仕事。それでは若者にとっては魅力的な職業に映らず、就労人口も減っていく。
漁師や漁業関係者を取り巻くこうした課題を認識し、解消に向けた一助となっているのが産地直送のECやアプリだ。漁師にとっては売り先が複数になることや、販売価格を自分で決められる点は特に大きなメリットで、収入面の改善が期待できる。
直販を利用したことがない方は、ぜひこれらのサイトやアプリで第一歩を踏み出していただきたい。その行動の先には、地元の漁業が活性化し、ひいては日本の漁業全体が豊かになる未来が待っている。
文/本多祐介