鈴木農水大臣 11月14日記者会見「小型スルメイカ漁獲量、大幅な超過となったことはたいへん遺憾」
2025/11/14
鈴木農林水産大臣は11月14日の記者会見で、小型スルメイカ釣り漁業の漁獲量について「配分量の135%と大幅な超過となったことはたいへん遺憾」と述べた。
メイン画像:記者会見する鈴木農水大臣(出典 農林水産省)
鈴木農水大臣
記者会見概要
大臣 冒頭私から2点ご報告があります。
1点目は、小型するめいか釣り漁業の漁獲量についてであります。
小型するめいか釣り漁業の10月末時点の漁獲量は7,796トンとなりました。11月5日の水産政策審議会で了承を得た追加配分後の数量5,757トン、これは当初2,800トン、それに増額分も合わせて追加をした分が2,957トンの合計5,757トンを、2,039トン超過をするということとなっております。
これは配分量の135%ということです。このような大幅な超過となったことは、我々として大変遺憾であります。引き続き、業界団体と連携をして、国の留保からの追加配分の振替えや、他の漁業種類からの漁獲枠の融通ができないか調整を進めてまいります。
また、今回の漁獲量の報告に当たり、一部の県で報告に漏れがあることが把握されました。TAC制度の適正な運用に重大な影響を与えるものであると考えておりまして、今後、このようなことが繰り返されぬよう、改めて関係者へ適確な報告について周知徹底を図ってまいりたいと思います。
2点目は、青森県において養殖ホタテの大量へい死という事態になっております。
青森県では高水温等を原因として、近年、養殖ホタテの大量へい死が続いております。このため、先ほどのスルメイカの案件に加えまして、ホタテについても現場の業者との意見交換をするために、国会等の諸般の事情が許しましたら、今週末に山下副大臣を現地に派遣をいたしたいと思います。詳細は決まり次第、ホームページでお知らせをいたします。私からは以上です。
―先日の予算委員会で、小型船のTACについて「海域別、期間別での管理も検討」とご発言されていましたが、利害関係の衝突も考えられて、厳密な管理が難しいという関係者もおります。そういった懸念をどのように受け止められているかということと、また、ご発言のあった新たな方法はうまくいくか、その点どのようにお考えか教えてください。
大臣 資源管理のためのルールの見直し、これについては当然様々な調整が必要であり、難しいという声があることも重々認識をしております。その上で、TACの適切な管理方法となるよう、関係者のご意見もお聞きをしながら業界団体と連携をして、丁寧な調整に努めてまいりたいと思います。
やはり大事だというふうに思うことは、海というのはある種つながっているものでありますから、そういう中で、みんなで資源管理をやることが、結果としては水産業の持続可能性ということにつながるというふうに考えておりますから、そういう中で、不公平感というものがやっぱりあってはならないというふうに思っておりまして、今回の事案、先ほど私は遺憾というふうにお話をさせていただきましたが、そういったことも含めて、反省点も含めて、これは業界団体の皆さんと徹底的に話し合いをして、できる限り多くの漁業者の皆さんが納得感のある形で、何か改善ができればというふうに思っています。
―冒頭ホタテのへい死の問題に触れられておりましたが、実は広島でもカキが大量にへい死するという問題が今年起きております。
広島の生産額・量ともに、ご存じのように日本一なのですけれども、かなりの影響が出ると思われるので、まずこの点についてどういうお考えかがお聞きしたいのと、昨日、これを受けて緊急に県と産地の市が水産庁さんの緊急要望をされているのですけれども、どうしているのか、原因の究明と対策、漁業者への支援ということで、この辺りについて、国として調査に乗り出すお考えがおありか、また、財政支援等されるお考えがおありか。ホタテに関しては先ほど地元との意見交換ということもありましたので、そのあたりどうなのかちょっとお伺いしたいです。
大臣 呉市などでカキがへい死しているということについては、私も承っているところであります。県の皆さんが水産庁の方に状況について共有いただいたということで、また、様々な我々側からの支援についても率直にご要望いただいたというふうに思っています。
広島はこれまでもカキの当然大産地でありますから、様々な海の環境が変わるという困難も乗り越えて、いろんなチャレンジをしてくださって、今のカキ生産が、カキの養殖があるのだというふうに私は認識をしております。ですからその皆さんが、これからもこういう困難に乗り越えていけるように、我々としても技術的な支援も含めてしっかりとやらせていただきたいと思っていますし、状況に応じて、国会が今開催中ですけれども、状況許せば我々政務三役も誰か現場にお邪魔する必要があれば、お邪魔をさせていただきたいと思います。
DATA
取材・文/フィッシャリージャーナル編集部


