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漁業の未来を明るく照らす! 2026注目のキーワード7選

多くの課題を抱える漁業界にも、新しい風が吹き始めている。副収入につながる海業ビジネスから、安全な操業を叶える新サービス、人手不足を解決する未来の技術を厳選してお届けしよう。

<目次>
漁業の可能性はまだこれから今押さえておきたいキーワード
01 遊覧船 美しい海を観光資源に漁師の副業、最有力候補
02 釣り場 漁港の未活用エリアを有効活用して収入に
03 低軌道衛星通信 星が見えれば電波が繋がる1人漁師も安心の操業へ
04 船舶用ドラレコ 船の事故の原因解明が進む覚えのない破損の立証にも
05 サイバー保険 増加する船舶システムへの攻撃もしもの備えが安全を守る
06 水中ドローン 計測・監視機能からの脱却水中作業が陸でできる時代へ
07 自動運航船 漁業の人手不足の課題を解決自動運転の未来はすぐそこに

 

漁業の可能性はまだこれから
今押さえておきたいキーワード

黒潮の大蛇行が終わって漁場が戻ってきたかと思えば、獲れる魚種自体が変わったり、魚はいるけど規制がかかっていたりと漁業界隈では前例にないことばかりの2025年であった。「予測不能」という言葉が当たり前になってきた現在、漁業界では大きな流れが確立してきた。その流れというのが「所得アップ」「安全向上」「テクノロジー」である。

地域の海をさまざまなビジネスとして活用することで所得を上げる取り組み「海業」にも、新たな所得アップ策として遊覧事業や釣りビジネスが続々登場してきた。それと並行して広がっているサービスが安全対策だ。高齢化の進む業界では顕著で、特に1人操業している漁師にとっては大型助っ人の登場となっている。

そしてそれを支えるのが新たなテクノロジー。ちょっと前まで「未来の話だ」と思っていた世界がどんどん現実化するのがこの2026年のようだ。今年最も熱い7つのキーワードとともに、新たな1歩を踏み出そう。

01 遊覧船

美しい海を観光資源に
漁師の副業、最有力候補


一般人にとって船に乗ること自体が特別な体験。そんなニーズに応え、漁で使っていない時間帯の漁船を活用した観光クルーズが登場している

「小坪漁師タクシー」は、湘南漁業協同組合小坪支所と逗子市が考えたアイデアで、江ノ島や鎌倉といった景勝地がある湘南地区で地元漁師しか知らない穴場や絶景ポイントを案内してくれるプライベートクルーズ。料金は大人2,500円、小学生以下1,200円で、1周40分ほど。予約制にすれば漁期の心配や運航にも融通が効く。申請などの手続きが必要だが、注目のビジネスモデルだ。

02 釣り場

漁港の未活用エリアを
有効活用して収入に


日本で最も趣味人口が多いといわれる「釣り」。釣り人のマナー問題や安全管理の理由から、釣りを禁止にする漁港も多いが、釣りと漁業を共存させる取り組みが海業界隈で注目されている

釣場管理サービス「海釣りGO」では、専用のアプリを通じて、漁港ごとのルールのもと、釣り場や駐車場を管理できるシステム。漁協の収益にもつながり、漁港の設備整備に充てられる。マナー問題の軽減につながり、安心して釣場を解放する動きが広がるだろう。

03 低軌道衛星通信

星が見えれば電波が繋がる
1人漁師も安心の操業へ


海の命綱である海上通信。海ではVHFでの通信が主流であるが、スマホでもつながる時代になってきた。低軌道衛星を使うことで衛星通信が身近なものとなっており、海上通信のインフラがようやく整ってきている。

KDDIでは、スターリンクの電波を活用してスマホでも使えるサービスをスタート。電波が届かない山林や災害非常用に向けたスマホGPSによる安否確認サービスなども開発中だ。衛星電話では通信料が数百万もかかることもあったが、スターリンクの電波では数万円と価格が抑えられ、小型船舶や1人漁師でも手の届きやすいサービスが広がるだろう。

04 船舶用ドラレコ

船の事故の原因解明が進む
覚えのない破損の立証にも


車では常識となってきたドライブレコーダーがついに船の世界にもやってきた。船用に開発された「シップレコーダーAQUA Vision」は、720度全方位撮影する防水仕様のドライブレコーダー。記録データは専用ブラウザソフトでのみ閲覧が可能と、情報漏洩対策も考慮されている。

事故の記録が残ることで、自身に過失がないことの証明や、覚えのない破損トラブルへの対応にも役立つ。また、船の事故の原因究明のデータとして活用することで、再発を防ぐことにもつながる。

05 サイバー保険

増加する船舶システムへの攻撃
もしもの備えが安全を守る


海のDXが躍進した2025年。船舶の機器もデジタル化しているのが当たり前の世界。しかし、そんな機器が止まってしまったらどうであろう? 特に船舶システムではデジタル化が進んでおり、運航管理に直結する大きな問題だ。

そのためにも防がなくてはいけないものが海のサイバー攻撃。損害保険ジャパンでは商船向けではあるが、「船舶サイバー保険」のサービスを開始した。

船舶内のシステムやネットワークへのサイバー攻撃、それにより生じた物理的損害や不可動による損失を補償してくれる。さらに、事故対応に要する諸費用も補償の対象となる。今までとは勝手が違うデジタル機器。もしもの備えが船ばかりか、あなたも守ってくれる。

06 水中ドローン

計測・監視機能からの脱却
水中作業が陸でできる時代へ


今まで計測や監視が主体だった水中ドローンが進化している。船乗りの悩みのタネといえばフジツボ。そんな人の手作業でしか対応できない作業も、水中ドローンが解決できるようになってきた

この課題に挑むのがヤンマーブルーテックだ。船舶エンジン大手ヤンマーHDが作る水中ドローンに、障害となっていた視界不良をソニーGのイメージセンサー技術でカバーする。まずはコンテナ船を中心にサービスを開始。陸揚げせずとも船底がきれいになる時代がやってくる。

07 自動運航船

漁業の人手不足の課題を解決
自動運転の未来はすぐそこに


ここ数年、飛躍的に進化している自動運転が海の世界でも躍進中だ。船自体が判断して航海する自律航行船もいよいよ最終段階になりそうだ。

先陣を切るのはスタートアップのエイトノットである。離島航路では、既存船に自律航行プラットフォーム「エイトノットAI―CAPTAIN」を設置するだけで自律運航を可能にした。その技術は、他船・障害物回避などを含む自律航行も行えるレベルに到達している。人手不足の日本の漁業界の大きな助け舟となるであろう。

教えてくれた人

海のイドバタ会議 総座長

守雅彦さん

造船業、海事専門商社を歴任し、海の地方創生アドバイザーとして独立。漁業、海運業、海洋環境などさまざまな業界に精通。全国87地区の海業に関わる新規事業に携わっている。


FISHERY JOURNAL vol.5(2026年冬号)より転載

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