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環境保全

豊かな海のための漁業者・漁協職員のプラットフォーム『UMITOBA』がオープン!参加者募集開始

海の豊かさを考え、取り組んでいる漁業者・漁協を支援する新たなコミュニティ・プラットフォーム『UMITOBA』がオープン。12月12日にはオープニングイベントも開催予定だ。

未来の漁業のために必要な
漁業者・専門家・企業の連携

生態系や生物の多様性、豊かな漁業・魚食文化と、世界的にとても豊かな日本の海。一方で、海水温の上昇など、気候変動の影響も強く受ける場所にあり(*1)、海の生き物を育む海藻・海草や珊瑚、干潟など、沿岸域の生態系は全国で危機的状況におかれ、漁業にも影響を与えている。

毎年約10万人の漁業者等(*2)が、こうした海の変化や課題と向き合い、活動しているが、加速度的な変化に従来の方法では対応しきれないケースが増えている。

また、海の課題と解決策は場所ごとに大きく異なる。漁業者が日々の漁業活動に加えて、海を守るために最新の情報を集めて精査し、計画・活動するには大きな労力も必要で、危機感を感じながらも対策を見出せないケースも生じる。
そのため、それぞれの漁業者が知見を高めること、そして漁業者同士や専門家や企業との連携がこれまで以上に必要になっている。

「ウミとヒトが豊かな社会の実現」をビジョンに掲げるコンサルティング会社の「UMITO Partners」は、全国各地の漁業現場の人々との活動を通じ、最前線で海と向き合う漁業者達の活動を後押しする方法を模索し、『UMITOBA』をスタートさせた。

コミュニティ・プラットフォーム
「UMITOBA」とは?

海の豊かさのために考える・活動する漁業現場の活動を後押しするコミュニティ・プラットフォーム『UMITOBA』
漁業者・漁協職員が個人の意思で簡単に参加でき、活動に必要な情報や知見を入手することができる。

具体的なソリューションを知り、他地域の事例から失敗や成功を学びあい、必要に応じて有識者や企業などの外部の支援を受けながら、それぞれの課題を解決するための知識と手段にアクセスし、また志を共にする仲間を得ることができる。

「UMITOBA」詳細

●参加対象者:漁業者・漁協職員
●参加費:無料
●参加方法:質問に答えてFacebookグループ【UMITOBA】への参加を申請。

 

オンライン勉強会 隔月開催。漁業者が課題解決を前に進めるきっかけとなるよう、毎回テーマにあった講師を招いて科学的知見や成功事例の共有と、自由なディスカッションを実施。
<UMITOBAオープニングイベント&第1回 勉強会>
2024年12月12日の第一回勉強会は、オープニングイベントとして開催。詳細は別記の通り。
対面ワークショップ 隔月開催。漁業者が課題解決を前に進めるきっかけとなるよう、毎回テーマにあった講師
連携の支援 コミュニティメンバー(漁業者)のニーズに応じて、海の課題の解決策をもつ専門家や、企業とのマッチングを行い、連携を支援。
ネットワーク形成 地域を超えた漁業者間の意見・情報交換の場を提供。
情報提供 漁業現場の具体的な活動を進めるために有益な情報(ソリューションとなる技術や研究、支援制度など)を整理して、わかりやすく提供。

オープニングイベントが
12月12日(木)に開催

オープンを記念して、第1回勉強会が公開。昨今、注目を集める「ブルーカーボン」や「生物多様性保全」、「ネイチャーポジティブ」といったテーマと漁業の関わりについて、漁業者・自治体・企業と連携して取り組みを行う栗田喜久先生(九州大学)を招く。

海や地球規模の環境課題や漁業者との連携などに関心のある企業、メディア、個人など、幅広い方々にご参加いただきたい。

オープニングイベントの詳細

●開催日:2024年12月12日(木) 16:30〜17:45
●形式:オンライン開催(Zoom)
●参加費:無料
●対象者:
・漁業者、漁協職員
・一般:テーマに関心がある企業や自治体のご担当者・個人(先着30名)
・メディア関係者

プログラム

16:30〜16:45 「UMITOBA」紹介・活用方法
16:45〜17:15 情報提供「漁師にとっての豊かな海とブルーカーボン」
講師:栗田喜久先生 九州大学
17:15〜17:45 ディスカッション(漁業者限定)

申込方法
漁業者、漁協職員:【UMITOBA】にご参加ください。FB内でご案内します。
一般こちらよりお申し込みください。
メディア:press@umitopartners.com にメールにてご連絡ください。

 

講師プロフィール:栗田喜久さん(九州大学准教授)

2011年に筑波大学生命環境科学研究科博士課程を修了後、オレゴン大学で博士研究員、東北大学および九州大学の助教を経て、2020年より九州大学大学院農学研究院准教授に就任。専門は水産増養殖学で、特に貝類やウニ・ナマコなど海産無脊椎動物の成長・再生産に関する研究を通じ、新しい養殖技術の開発を目指している。また、官民連携によるブルーカーボンの生産・評価ツールの研究や、トヨタ自動車九州との共同研究を実施中。2024年発足の福岡県および天草市ブルーカーボン協議会の委員も務める。
 

事業責任者からのコメント

UMITO Partners 事業開発・営業部

岩本愛さん

「4年前からライフワークで宮崎県日向市の漁業者主体の藻場再生に参加しながら、UMITO Partnersで海と向き合う全国の漁業者と関わってきました。漁業者は、誰よりも地域の海の状況や変化、海を守る大切さを知っています。しかし、気候の変化や高齢化など、漁業者だけではどうしようもできない課題も多く、また、地域により得られる人手や情報にも偏りがあります。そういった課題を社会全体で解決する方法を作れないか、模索してきました。

UMITOBAでは、その一つの取り組みとして、漁業者が主体的に活動するための支援として、直接届く情報提供や地域を超えた連携をうみ、長年蓄積された漁業者の経験や知見と、科学的な知見や新しいソリューションを重ねあわせ、課題解決を加速させることを目指します」。


*1: 気象庁によると「日本近海における、2023年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.28℃/100年」で、「世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.61℃/100年)よりも大きく、日本の気温の上昇率(+1.35℃/100年)と同程度の値」出典

*2: 水産庁 水産多面的機能発機対策事業を利用し、海洋環境の保全活動に参加する年間の人数 出典:水産庁・全国漁業協同組合連合会・全国内水面漁業協同組合連合会(2022)「水産多面的機能発揮対策事業評価報告書」)

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