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日本初の「生物学的推論AI」活用で奥多摩やまめ養殖の科学的最適化に挑戦

京王電鉄とNōka.AIは、ブランド魚「奥多摩やまめ」を対象に、生物学的推論AIを活用した養殖最適化プロジェクトを開始した。魚類の細胞や代謝データを解析し、成長促進や飼料効率、品質の安定化を科学的に目指す取り組みで、経験則に依存してきた養殖の高度化につながることが期待される。

AIで養殖を予測可能に
奥多摩やまめで実証開始

養殖業では、魚の成長や品質、飼料効率の管理が生産性を左右する一方、その多くは生産者の経験や勘に支えられてきた。近年はデータ活用やAI技術の導入が進みつつあるが、生物学的な仕組みまで踏み込んで成長を予測・最適化する取り組みはまだ少ない。

こうした中、京王電鉄と、生物の「仮想細胞モデル」を構築するディープテック企業であるNōka.AIは、魚類の細胞や代謝データを解析する「生物学的推論AI」を活用し、ブランド魚「奥多摩やまめ」の養殖最適化に取り組む共同プロジェクトを開始した。

成長や品質を科学的に予測し、経験則に依存しない養殖管理の実現を目指すものであり、AIを活用した次世代養殖技術の可能性を示す取り組みとして注目される。

以下、Noka Bio, Inc.のリリースより

~ AI で、日本の養殖を『予測可能』な産業へ ~
京王電鉄とNōka.AI 、日本初の「生物学的推論 AI」を活用した奥多摩やまめ養殖最適化プロジェクトを開始

— 魚類細胞生物学・代謝モデル・ AI を融合し、成長・飼料効率・品質を科学的に最適化 —

京王電鉄株式会社(本社:東京都多摩市、代表取締役社長:都村 智史、以下「京王電鉄」)と、Nōka.AI, Inc. (本社:米国カリフォルニア州、取締役:本田 ニ仲、以下「 Nōka.AI 」)は共同で、7月8日(水)から「奥多摩やまめ養殖最適化プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)を開始します。

本プロジェクトは、奥多摩やまめの成長促進、飼料効率改善、および品質安定化を目的とした共同研究であり、日本初となる「生物学的推論 AI」を活用した先駆的な取り組みとなります。

京王電鉄の社員を起点にはじまった新規事業・ アクアポニックス事業

京王電鉄では、社員の想いやアイデアを起点にスタートアップ企業をはじめとした外部企業との共創により新規事業を創造するオープンイノベーションプログラム「 My turn 」の事業化案件として、2026年3月に、京王プラザホテル八王子の遊休施設を活用したアクアポニックス事業を開始しました。現在使われていないプール利用者向けの温浴施設内で、「ホテルで育て、ホテルで味わう究極の地産地消」をコンセプトに、奥多摩やまめや、クレソンなどを生産しています。

なかでも、奥多摩やまめは、奥多摩エリアのブランド魚であり、川魚を生食できる希少性と身質の良さから料理人や食通の間で注目を集める食材です。この食材の価値を最大限に活かしながら、高付加価値な食材を求める飲食店に継続的に届けるためには、養殖における成長のプロセスを科学的に捉え、生産の効率化と品質の安定化を後押しする仕組みが重要と考えており、そのプロセスの確立が課題となっていました。

≪京王プラザホテル八王子内で実施しているアクアポニックス事業の様子≫

Nōka.AI の「生物学的推論 AI」で、日本の水産業を変革

Nōka.AI は、急増するタンパク質需要と水産業における生産性向上技術の導入不足という課題に対し、AIによる生物学的データ解析を通じた食料生産の根本的最適化を目指して生まれたディープテック企業です。

日本の水産業は、数兆円規模の重要産業であり、漁業は日本の食文化を支える不可欠な存在です。その反面、その漁業を支える養殖現場では、飼料設計や成長管理の多くが長年の経験や勘に依存しており、「なぜ魚は成長するのか」「何が代謝を左右しているのか」「栄養素は細胞レベルでどのように利用されているのか」といった本質的な問いは、十分に体系化されないまま現在に至っています。

こうした課題を、科学とテクノロジーで解決するために求められるのが、産業応用に特化したAIです。そこで Nōka.AI は、経験や勘に代わる、生物学的メカニズムを理解したうえで推論を行う「生物学的推論 AI」を開発しました。魚類の遺伝子や血液、筋肉の成分といった膨大な情報(マルチオミクスデータ ※1)を、生物学を理解する上で学習しており、ゲノムスケール代謝モデル ※2 をはじめ、トランスクリプトームやプロテオーム ※3 などの各種データを統合することで、魚類細胞の機能理解、代謝ネットワークにおける栄養応答、さらには環境条件が分子レベルで生体機能に与える影響までを解析することが可能となります。

Nōka.AI は、単一のプロジェクトや魚種にとどまらず、生体システムが持つ分子レベルのロジックをもとに推論を行う生物学的推論AIを通じて、人類の食料生産そのものの再定義を目指しています。AIが細胞レベルで生物を理解することで、生産者はより高い生産性の実現や品質の最適化を目指すことが可能になります。

この「なぜ魚は成長するのか」という本質的な問いに、科学的に答えられるAIの開発を実現したNōka.AIと、奥多摩やまめの価値を高付加価値な形で安定的に届けるために成長を左右する要因をより科学的に捉えたい京王電鉄の想いが重なり、本プロジェクトの実現に至りました。

※1 マルチオミクスデータ …生物のゲノム(遺伝子)、トランスクリプトーム(遺伝子の発現)、プロテオーム(タンパク質)、メタボローム(代謝物)など、生命現象を分子レベルで網羅的にとらえた複数の階層のデータを、統合的に組み合わせたものを指す。

※2 ゲノムスケール代謝モデル …生物がもつほぼ全ての遺伝子情報をもとに、細胞内で起こる化学反応(代謝)のネットワーク全体をコンピュータ上で再現した数理モデル。栄養素がどのように取り込まれ、エネルギーや体をつくる成分へと変換されるかを、計算によって予測できる。

※3 トランスクリプトーム/プロテオーム …トランスクリプトームは細胞内で働いている遺伝子( mRNA )の全体像を、プロテオームは細胞内に存在するタンパク質の全体像を指す言葉 。いずれも、どの遺伝子やタンパク質がどの程度働いているかを網羅的に解析する手法。

奥多摩やまめ養殖最適化プロジェクトについて

本プロジェクトでは、奥多摩やまめを対象に「何を食べさせるか(飼料)」「どんな環境で育てるか(養殖環境)」「いつ収穫するか(品質予測)」という養殖の三つの核心課題に、「生物学的推論 AI」を用いて科学的に取り組みます。

まず「飼料」では、Nōka.AI が魚の代謝データを解析することで、成長や品質に本当に効く栄養素を特定し、経験則に頼らない飼料設計を検証します。「養殖環境」で は、水温、溶存酸素量、pH 、養殖密度などの環境パラメータについても、生体状態との相互作用を解析し、成長サイクル全体にわたる動的な最適化を図ります。さらに「品質予測」では、 分子・代謝データに基づく早期バイオマーカーパネルを構築することで、収穫前段階で成長性や品質を予測できるようにすることで 、従来の事後管理型養殖から、予測に基づいて先回りで最適化を行う養殖への転換を目指します。

本プロジェクトは、 2026年7月から同年9月までの実施予定です。対象期間中に、データ統合・AIモデル学習・最適化提案・検証・知見移転の5フェーズで段階的に推進します。

今後の取り組み

今後、京王電鉄とNōka.AIは本プロジェクトを通じて、「勘と経験」に依存してきた養殖現場をデータと科学で変革し、奥多摩やまめの生産の安定化を図ることで、高付加価値な食材を求める飲食店やシェフへの継続的な供給を実現してまいります。さらに、品質にこだわる料理人が「いつでも、確実に手に入る食材」として奥多摩やまめを選べる環境を整え、希少食材としての価値を一層高めるとともに、京王沿線発の新たな食文化の創出につなげてまいります。

【本件に関するお問い合わせ先】
京王電鉄 My turn 運営事務局:contact-koi@keio.co.jp
京王お客さまセンター:03-3325-6644 (9:00~18:00)
Nōka.AI 本田 二仲:nina@nokabio.ai

引用:~ AI で、日本の養殖を『予測可能』な産業へ ~ 京王電鉄とNōka.AI 、日本初の「生物学的推論 AI」を活用した奥多摩やまめ養殖最適化プロジェクトを開始

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