女優・小林涼子さんが思う、一次産業を持続可能にする「生きた食体験」とは?
2024/11/04
『アクアポニックス』は、サステナブル(持続可能型)からさらに一歩、歩みを進めた、リジェネラティブ(環境再生型)の取り組み。『アクアポニックス』に取り組む、株式会社AGRIKO代表取締役/俳優の小林涼子さんへのインタビュー。
後継者育成にも繋がる
アクアポニックス
小林さんは10年前から俳優業の傍ら、家族で高齢化が進む新潟の棚田農家の手伝いをしてきた。「家族が体調を崩したことをきっかけに、身体を壊してしまえば仕事ができない、美味しいお米は食べられない。当たり前だと思っていたことがそうじゃないと気づきました。持続可能な農業をしたい――。それがAGRIKO設立のきっかけです」。
農地を探していた時、海外に住む友人からアクアポニックスの話を聞く。「魚、バクテリア、野菜や植物が共生している循環型一次産業です。都内のビル屋上で運営できるので、子どもたちが気軽に一次産業に触れることができます」。
収穫体験後に、収穫物を料理して食べるワークショップも多数行う。「子どもたちがSDGsを学び、アクアポニックスでの生きた食体験を通じて、一次産業を持続可能にすると信じています」と小林さんは目を輝かせた。
PROFILE
女優/株式会社AGRIKO 代表取締役
小林涼子さん
こばやしりょうこ
1989年生まれ、東京都出身。4歳で子役としてデビュー後、雑誌モデルや映画、ドラマなどマルチに活動。2021年5月に株式会社AGRIKOを設立。環境負荷の少ないアクアポニックス式の農園運営を行いながら、障がい者雇用や食育イベントなど、SDGsの推進にも積極的に参加。環境省『第10回グッドライフアワード』実行委員会特別賞「SDGsビジネス賞」受賞。農林水産省 食料・農業・農村政策審議会食糧部会臨時委員も務める。
文:脇谷美佳子
写真:金子怜史
FISHERY JOURNAL vol.2(2024年夏号)より転載