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インタビュー・コラム

新規就魚者を地域で支える! 働くモチベーションを保つ仕組みづくり

地域での孤立、就業先でのミスマッチ、将来に対する不安など。新規就業者が直面しがちな“壁”を取り払うことを重要事項とし、運営されているのが「TRITON PROJECT」だ。

新規就業者をメンタル面で
きめ細やかにサポート

「TRITON PROJECT」は、2015年7月に若手漁師集団「フィッシャーマン・ジャパン」によって立ち上げられた。

本プロジェクトの趣旨は、漁師を志す若者と漁師をつなぎ、新世代のフィッシャーマンを増やすこと。直営する求人サイト「TRITON JOB」での求人情報の発信、就業後の住まいの提供、ステップアップのための勉強会の開催などが、プロジェクトにおける具体的な活動の内容だ。

また、水産業の魅力を伝えるために子どもや学生に向けた漁業体験や課外授業なども行っている。

メンターを務めるのは、フィッシャーマン・ジャパンのスタッフ。新規就業者は、生活や将来に関する具体的なアドバイスなどが受けられる。

「TRITON PROJECT」をとおして新規就業する人の多くは、ほかの地域からの移住者で、漁業に関する知識も浅い。それゆえに新規就業後、移住地での孤立や、就業先とのミスマッチが起こりやすい。プロジェクトが始まる以前は、新規就業者がまもなくして離職してしまうケースが数多く見受けられたという。

こうしたケースを減らすため、プロジェクトの運営側は漁協や行政とタッグを組み、新規就業者のサポート体制を強化。就業先の親方と就業希望者への徹底したヒアリングや、就業前に複数の現場で研修できる体制などを導入した。

2015年から現在にいたるまでに、「TRITON PROJECT」を通じて合計550名以上の漁師が誕生している。また、新規就業者のサポート体制を強化した後は、早期離職率は大きく減少。直近5年間の離職率は、22%に抑えられている。

現在、石巻・三陸エリアで合計7つの「TRITON BASE」が稼働している。なかには企業研修などに使える施設や、漁業体験を展開する施設も。

働きやすい職場づくりの
ポイント

ミスマッチを防ぐ
新規就業者がもっとも理想的な環境で働けるよう、マッチングに注力。「3年ほど下積みして独立したい」といった新規就業者の希望や、親方側の方針をヒアリングで把握するなどしている。

サポート体制
仕事に対する悩みや将来への不安を抱える新規就業者も。ちょっとしたことでも相談できるメンターを用意し、精神的なサポートを図った結果、モチベーション低下や早期離職のケースが低減。

交流の場づくり
プロジェクトをとおして就業した漁師たちの交流会を開催。また「TRITON BASE」なる新人漁師のシェアハウスも。新規就業者が地域で孤立しないよう、積極的に交流の場を設けている。

DATA

TRITON PROJECT
「フィッシャーマン・ジャパン」と漁船IoTベンチャー企業「株式会社ライトハウス」が共同で運営するプロジェクト。2015年に宮城県石巻市でプロジェクトが始動し、三重県南伊勢町をはじめ、全国的に活動エリアを拡大。


文:緒方よしこ

FISHERY JOURNAL vol.4(2025年夏号)より転載

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