陸上養殖の生命線=酸素供給を守り抜く! 老舗ガス専門商社「巴商会」の高効率酸素溶解装置
2026/07/31
陸上養殖の成否は、酸素をいかに効率よく安定的に供給できるか、で決まる。ガス供給のプロフェッショナルである巴商会は、酸素ガスから溶解装置、緊急時のバックアップまでをトータルで提案する。現場に寄り添い安定した養殖経営を支える同社の技術に迫る。
「ガス専門商社」が変える
陸上養殖のコストと環境
株式会社巴商会 水産事業推進課 企画営業部 係長 色音日吉噶拉さん
「陸上養殖の過密飼育では、高コストになりがちな酸素ガスをいかに無駄なく水に溶かして魚に利用させるかが経営を左右します」。そう話すのは、ガス専門商社として長年培った知見を持つ巴商会の色音さん。同社はガス供給に留まらず、養殖現場の環境改善に踏み込み、システム提案も行っている。

日本初上陸の酸素コーン。通水量に応じた4機種をラインアップしており、小型から大規模の施設に幅広く対応する。
(写真左:色音 日吉噶拉(サイン ジャリガラ)さん 写真右:高梨一真さん)
その中核を担うのが、日本初上陸の「酸素コーン」。密閉容器内で酸素を強制溶解させるこの装置は、78〜95%という高い溶解効率を実現する。素材はFRPだから金属製と比べ耐食性に優れるうえ、従来の溶解装置より低価格を実現。メンテナンスも極めて容易と、多忙な養殖現場のニーズに応える。
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酸素コーンは容器内で水と酸素を混合し、圧力を加えて酸素濃度を高める。78~95%という高い溶解効率で溶解された酸素が、水槽に送り込まれる。
停電時も安心。命をつなぐ
緊急酸素供給装置
緊急酸素供給装置。停電により電源が断たれた瞬間に弁が物理的に開くため、酸素ガスが持つ本来の圧力で、自動的に酸素を水槽へ供給し続けることができる。
養殖において電源喪失や機械の不具合による酸素供給の途絶は、壊滅的な被害に直結する。「緊急酸素供給装置」は、そうした被害を心配する現場の切実な声から生まれたシステムだ。
その特徴は、電源喪失時にも確実に作動する特殊な弁にある。停電で電源が断たれた瞬間、弁が物理的に開く。これにより外部電源なしでも酸素ガスが持つ本来の圧力で、自動的に酸素を水槽へ供給し続けられる。遠隔監視装置によりDO(溶存酸素)や水温を常時監視しており、万が一の閾値超過時にはスマホにアラートが飛ぶとともに即座に酸素供給を開始する。
ポンプを介さず液体酸素の気化圧を利用するこの仕組みは、電気設備が限られる現場でも極めて高い信頼性を発揮する。また、全国に営業拠点網を持つ巴商会のガス安定供給ネットワークにより、長期災害影響時にもガス切れや酸欠を防ぐ、万全の供給体制を整えている。現場に合わせて最適なシステムを組み上げ、日頃の酸素の供給からシステム稼働後のアフターフォローまでを一貫して任せられる点こそが、巴商会を選ぶ最大のメリットだ。
巴商会は、全国に営業拠点網を持つガス安定供給ネットワークにより、長期災害影響時にもガス切れや酸欠を防ぐ、万全の供給体制を整えている
巴商会は2013年より自社で養殖ラボを運営し、そこで得た知見を製品開発にフィードバックし続けて来た。実際に、酸欠で餌食いが落ちた現場に酸素コーンを導入して、見事に回復させた実績もある。
「ガスは後回しに考えがちですが、養殖の生命線であることを忘れないでほしいです」。そう語るのは、巴商会の高梨さん。養殖のスタートアップから既存RAS設備の環境改善まで、酸素に関わる悩みに答えを出し続けて来た。酸素コーンと緊急酸素供給装置のデモ機は、神奈川県三浦市にある三和漁業協同組合との共同ラボで稼働中だ。
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株式会社巴商会は8月19日~22日に開催されるジャパン・インターナショナル・シーフードショーに出展。実際の製品と共にスタッフが機能や魅力について解説してくれる。気になる方はぜひ足を運んでいただきたい。
PROFILE
株式会社巴商会
企画営業部 水産事業推進課 係長
色音 日吉噶拉(サイン ジャリガラ)さん
株式会社巴商会
企画営業部 水産事業推進課 主任
高梨一真さん
問い合わせ
株式会社巴商会
企画営業部 水産事業推進課
TEL:03-3734-1125
取材・文/川島礼二郎
写真/清水今日子
FISHERY JOURNAL vol.6(2026年夏号)より転載
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