磯焼け被害が広がるなか、豊かなブルーカーボン生態系に貢献! 多機能型藻場増殖礁「藻場王」を開発
2024/11/11
20年以上前から独自の磯焼け対策製品を開発・事業展開し、海洋環境の保全に取り組む住友大阪セメント株式会社が、革新的なブルーカーボン対応多機能型藻場増殖礁「藻場王(もばおう)」を開発した。
ブルーカーボン生体系を取り戻す
最先端藻場増殖礁を開発!
地球温暖化の影響により海水温が上昇し、植食性魚類が活発化したことにより藻場が消滅する「磯焼け」現象が全国で発生し、かねてより問題となっている。一方で近年では、海洋プラスチック問題や海洋の貧栄養化も深刻化しており、磯焼けと並行して様々な海洋環境課題を解決することが社会的な急務となっている。
そこで今回、20年以上前から独自の磯焼け対策製品を開発・事業展開し、海洋環境の保全に取り組んでいる住友大阪セメントは、藻場増殖礁「K-hat リーフβ型」、「K-bank リーフ」をベースとし、海藻増殖機能を増強とすると共に海の環境保全機能も搭載した、ブルーカーボン対応多機能型藻場増殖礁「藻場王」を開発した。
同社は、磯焼け対策製品としての藻場増殖礁の沈設実績は4,000基以上、藻場増殖プレートは30万枚以上の納入実績がある。
沈設直後の藻場増殖礁『K-hat リーフβ型』
この「藻場王」は、あらかじめ育てた海藻(クロメなどの地域に適した海藻)を取り付けて設置する。海藻は専用施設で中間育成し、十分に育った段階でブロックに取り付ける。
製品のポイントとしては、①「独自の基台コンクリートに低炭素に適用可能」、②「海洋生分解性プラスチックを適用」、③「海藻の生育に必要な栄養塩を供給する機能を搭載可能」、④「水中ドローンでメンテナンス・藻場観察を省力化」などが挙げられる。
その他、各地の多様な沿岸環境に対応すべく海藻増殖機能を増強すると共に、海の環境保全機能も搭載した最先端藻場場増殖礁「藻場王」。国内近海で磯焼け被害が広がるなか、豊かなブルーカーボン生態系を取り戻し、漁業・生体系環境の再生はもちろん、急速に注目を集めるブルーカーボン・クレジット創出にも貢献する。
海洋環境問題解決へ
住友大阪セメントの展望
政府は、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について、世界で初めて海草藻場及び海藻藻場における吸収量(ブルーカーボン)を合わせて算定し、国連へ報告した。
今後、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)への対応や、ブルーカーボン生態系保全の需要が更に高まることが予想され、効率的な藻場再生と環境負荷低減を両立したブルーカーボン生態系保全手法が望まれている。
今回、「藻場王」の開発を発表した、住友大阪セメントは「環境解決企業」として、これまで蓄積した業界トップレベルの環境・材料技術を結集し、より効率的かつ環境負荷を低減した藻場再生、ブルーカーボンの創出に取り組みながら、様々な海洋環境問題の解決にも貢献できる『ネイチャーポジティブ企業』を目指している。
問い合わせ
住友大阪セメント株式会社
セメント・コンクリート研究所
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