【漁師が始めるECサイト販売術】ECの場合の「売れる写真」とはどんなもの?
2026/08/21
ECの要となるのが、商品の「写真」。売り手がいいと思う写真でも、ユーザーが求めているものとは違う場合があり、写真の扱い方が販売を大きく左右する。ECの写真撮影で気をつけるべきポイントを、食品専門コンサルタントの佐藤まどかさんに教えてもらいました。
Q1 漁師や漁業のECの写真で、
まず注意すべきポイントや心得とは?
きれいに撮ることよりも、買う人にその商品がきちんと伝わることです。
ECでは、お客様が商品を手に取って確認できません。そのため写真は、店頭で商品を見せたり、説明したりする代わりになります。漁師さんや水産関係の方にとっては当たり前のことでも、一般のお客様にはわからないことが多くあります。「どれくらいの大きさなのか」「どんな状態で届くのか」「どう食べればいいのか」が写真でわかるだけで、購入しやすくなります。
Q2 漁業ECの場合の「売れる写真」とは
どんなものでしょうか?
①おいしそうに見えて、
②商品内容がわかりやすく、
③安心して買える雰囲気のある
写真です。
まず大切なのは、見た人が「食べてみたい」と感じる写真です。魚のツヤ、身の色、脂のり、貝の身入り、調理後の照りなど、おいしさが伝わる写真は購入のきっかけになります。併せて、Q1の回答にもあるように、商品がきちんと伝わる写真も必要です。例えば、魚やカニ、貝などの商品全体がわかる写真。手に持つ、皿にのせる、箱に入れるなど大きさや量がわかる写真。発泡箱、真空パックなど実際に届く状態がわかる写真。刺身、焼き魚、鍋など食べ方がわかる写真があると、お客様は安心して選びやすくなります。

加えて、漁港、船、作業風景など産地の雰囲気が伝わる写真もあるといいでしょう。その際、現場の乱雑さや汚れが強く目立つ写真は、不衛生なイメージを与えてしまうので気をつけてください。
Q3 スマホで撮影する際に
知っておきたいポイントは?
①商品から少し引いて、まわりに余白を残して撮ること、
②レンズを拭く、水平を意識する、ピントを合わせることを意識しましょう。
ECサイトやSNSでは、正方形に近い写真が使いやすい場面が多くあります。一方で、港の風景、船上での作業、加工場の様子、食卓全体など、横に広がる場面は横位置が向いています。慣れないうちは対象を画面いっぱいに大きく写しすぎず、少し引いて余白を残し、後からトリミングして正方形や横位置に切り取る方が使いやすいでしょう。

また、スマホ撮影の基本的なこととして、レンズが汚れていないか、傾いていないか、ピントが合っているかの点も意識しましょう。慣れてきたら覚えたいのが、撮影時の光の向きです。特に現場の写真は、横からの光や、斜め後ろからの光が入ると陰影が出て、写真に奥行きが出ます。
Q4 トラブルにならないために
必要なことは?
実際の商品と違う写真を使わないことです。
ECでは、お客様は写真を見て商品を判断します。現場では小さな違いに思えても、お客様にとって写真は大切な判断材料です。そのため、現在は使っていない箱、実際とは違うパッケージ、似ている別商品の写真、昔のカタログ写真などを「これでいいか」と使ってしまうと、購入後の不信感につながります。イメージ写真や調理例を使う場合は、「写真はイメージです」「盛り付け例です」など、誤解が起きないように明記しましょう。
教えてくれた人
株式会社ヨーシー
佐藤まどか さん
北海道グルメECサイト運営歴11年。商品バイヤー兼責任者として10年以上活躍。北海道フードマイスターやフードコーディネーターなどの資格を生かし、EC運営の効率化と食文化の発信に取り組んでいる。
文/本多祐介
FISHERY JOURNAL vol.6(2026年夏号)より転載




